【陶磁器】ニュース 「古九谷は加賀産」DVD、有力な有田説に対抗


2013年 1月13日

石川県加賀市は、古九谷の産地論争を紹介するDVD「古九谷の謎~最高峰アートの神秘に出会う旅~加賀温泉郷」を制作した。

学界で有力な「古九谷は肥前の有田(伊万里)産説」に対する「古九谷加賀説」をアピールするのが狙いだ。

古九谷は、江戸時代前期の数十年ほどという短期間に作られた色鮮やかな陶磁器。もともと、加賀藩の支藩である大聖寺藩が肥前の有田(佐賀県)から技法を取り入れて、九谷村(加賀市山中温泉九谷町)で作られたとされてきた。

しかし、有田で古九谷風の色絵陶磁片が出土したことから、陶磁器史の学界では、古九谷の産地は有田だったとする考えが有力となっている。

DVDでは、古美術鑑定家の中島誠之助さんがナビゲーターを務め、山中温泉九谷町の九谷磁器窯跡発掘調査で陶石土坑や上絵付けの顔料となる朱石を砕いた朱田が確認されたことなど、「加賀説」にまつわる最新の研究内容を紹介。

加賀説の中でも、素地きじを有田から購入して九谷で絵付けした「素地移入説」、有田のキリスト教信者の絵付け師が迫害から九谷に逃れたとする「キリシタン隠し絵説」などを具体的に“証明”していくのも見所の一つだ。

また、古九谷が廃窯になった時期と、松尾芭蕉が山中温泉に滞在した時期との符合から、芭蕉が隠れキリシタンを探る幕府の隠密だったという歴史のロマンにあふれる「芭蕉隠密説」にも触れる。

DVDは1500枚を制作し、市内の全小中学校に配布する。1月下旬からは、同市の県九谷焼美術館でダビングサービスもするという。同美術館の中矢進一副館長は「古九谷加賀説を知ってもらうことで観光客増にもつながることを期待している」と話している。

問い合わせは同美術館(0761・72・7466)へ。<読売新聞>