『店長ブログ』 器は土から産まれ、人の生きる道を支えます


2012年10月10日

 

もう15年近く前の話しになります。

愛車に、お布団を一組と着替えを少々積んで、半月ほどひとり旅をしたことがあります。

目的を持たない旅でしたが、奈良を出発して、高速道路を一切使わずに瀬戸内海側を走り、関門トンネルをくぐって、今度は日本海側を走って帰ってくるというルートに、結果的になりました。

帰りの日本海側ルートで、小さなお寺さんに立寄りました。

旅の途中にふと目が止まり、気まぐれに立ち寄っただけで、今ではもうお寺さんの名前すら覚えていないのですが。

そちらのご住職様のお話を最近よく思い出します。

『器は土から産まれ、人の生きる道を支えます。人は土に還り、人の生きる道を支えます。』

このお言葉の解釈は、

器は土から産まれてお茶碗やお湯呑となり、人が生きるため(ご飯をたべるために必要な道具として)人を支える。

やがて人の肉体は土に還り、その土が作物を育てる養分となり人を支える。

そんなような感じでした。

さらにー。

故人にも器は必要な道具と説かれ、

『花や香はお供えできない方でも、お参りされたどなた様に限らず、器に一杯のお水はお供えになられます。』

このお話は、あの頃の私にはうまく響かない、ただの小さな旅の思い出にしかすぎませんでしたが、このお仕事をさせていただくようになってからよく、このご住職のお言葉を思い出し、そして考えます。

飽食のこの時代、食の欧米化や簡素化が浸透した生活の中で、器を使わない食事なんて実は簡単にできてしまいます。

あの頃のご住職のお言葉なんて、今の時代に当てはまらないのかもしれません。

だけど、『食物連鎖』のシステムに、器が組み込まれていると思わせるこのお話。

なんだか素敵だと思いませんか(^^)

iPS細胞やノーベル賞にはご縁ございませんが、人の生涯や生活との縁深い『器』。

感謝の言葉しかございません。と仰ったノーベル賞の教授先生だって、器を使ってご飯を召しあがって、脳に栄養を送っておられたはず!

そういう意味では、『器』も地味〜に貢献・・・してますよね^^;

私も、器を扱うこのお仕事をさせていただけることに、そして、私を支えてくださるすべての皆さまに、心から感謝の言葉しかございません。